第27回神戸市環境保全審議会
                         議事録 抜粋

日時 : 平成17年6月10日(金)
午前10時〜午前11時45分
場所 : 神戸 市 役 所 1 号 館
1 4 階大会議室


○大井としひろ委員 (質問)
少しお話をさせていただきます。
4ページの神戸市の現状というところで若干お話させていただきたいんですが、この専門部会での答申、大変すばらしい中身をまとめていただいておるんですが、大変大きなところが一つ欠けておるなと。
何やといいますと、私、民間の会社でずっと働いておりまして、今市会議員をしておりますけれども、民間であればまず1番にコストということを頭に、念頭に置いて考えていくわけですが、この答申書の中にはコストのことについて一切触れておられない。

例えば神戸市は大阪市に次いで13の政令都市の中で2番目にたくさんごみを出す街やと。
これはなかなか市民の皆さん御存じないけれども、私たち事あるごとにマイク持ってしゃべってます。
ただし、多い街であっても、しかし税金、市民の税金で処理する費用は少ないというんであれば市民の皆さん方納得されるんですが、そこのところのごみは多い、そして処理をするお金もたくさんかかっている。

反対に神戸市は今大変財政が厳しいと。厳しい中で去年からいろんな行財政改革を経営方針でやっておられます。
そんな中で福祉施策なんかでも凍結やカットというようなこともやっておる。方や一方でごみはどんどん他の都市に比べるとたくさん出しているということは、減り方は先ほどちょっと表を見ましたら、横浜なんかは14年と15年の減り方の量って相当な数字が減っております。

神戸市のこの数字は15年と15年と2回とも同じ数字なんで、どれだけ減っているのかようわかりませんけれども、中田市長、横浜の市長なんかはごみを減らして、ごみを減らした分福祉に金を回すんやと、焼却場を1基減らしたら12億とか15億は減るんですと、そういうはっきりお金のことを口に出しているから市民の皆さんも一生懸命それについて、一生懸命市長についてこられてる。
そういうところが神戸市は欠けておるんじゃないかと、その辺のところはどういうふうに御見解があるのかちょっとお聞きします。

○会長
どこの部分か、全体を通してコストに関する部分が欠けているといった御発言でした。

○委員   (専門部会長  石川雅紀 神戸大学 大学院 教授)
御指摘全く私そのとおりだと思います。
この中にコスト情報が入っていないという一番わりやすい理由は、時間がなかったということです。
コストを計算するためには、かなり具体的にこうすればこう、こうすればこうというかなり細かい計画をたてないと、コスト計算自体が余り意味がないんですね。

ですから、そのレベルまでやろうと思うとかなりな時間がかかります。恐らく手間ももちろんかかるんですけども。それは今回の見直し作業の中ではとてもできない。
今回の見直し作業の会議の議論の中も、前回御説明しましたけれどもかなり豊富な内容で、議論したかったこと自体から行きますと、私自身の感触からするともっと時間を使いたかったです。

コストのことを別にしても、もっと議論したかった部分があります。
これに多分コストも入れて、具体的にこうすればこうなんだと。
例えば私が名古屋で、これは行政と全く関係のない研究レベルの話ですけれども、市民参加で循環型社会の形成を目指そうというふうなことをこの3年間やっております。
そこではまさに御指摘のようなことを試みたわけです。

こういう分別だとか、こういうふうな社会にすれば、もし市民がこういうふうにすればこうなります、こうなりますという内容にはごみはこうなる、生活はこうなる、行政のコストはこうなる、ただし民間側で、市民側で商品が例えばEPRを徹底すれば値段が高くなりますとか、そういうふうなことまで一応絵を描いてみて、市民に示して、どうしますかというふうなことをやってみました。その経験がありますからわかりますけれども、神戸市でそれをやろうとしたら多分3年かかり、やはり3年ぐらいは準備期間を含めてかかると思います。
それを抜きに現状のコストがどうなっているかと、それも意味のある情報だと思うんですけれども、それを例えば他都市と比較しようと思っただけでも、結構準備と慎重な検討が必要なんです。

コストそのものは名古屋市も出してますし、ほかも探せば出ますし、神戸市自体はそれはもちろんそれなりに出るはずなんですね。
ただ、現状はそれが本当に意味のある比較ができるベースがないんです。
自治体の中での廃棄物行政のコストってのは、そこまでの透明性がないんです。それは自治体が隠しているという意味じゃないです。

そもそもそれを比較できるような標準的な計算法そのものがないからなんですね。
ですから、やりたければ自分でそれをつくるしかないんですね。
名古屋でそれをやった経験がありますから、それは今回はとてもできないなというふうなのが私の判断だったんですね。

ですから、御指摘の点は全くそのとおりだと思っておりまして、次のステップとしては当然それをやるべきだというふうに私は
思っています。

○会長 今の御意見、どこかの部分にこういう文で挿入するというところがございましたら、どうぞ御意見としてお寄せいただいたらと思いますけども。
事務局何か御意見ございますか。

○大井としひろ委員
例えば神戸市の場合は今までに埋立や焼却でやってきたと、ただ埋立でもずっとこのまま市民の皆さん方に負担かけませんということで、これからも未来永劫埋立ができるんであれば、そうして環境もきちっとクリアしていって埋立するんであれば、市民の皆さん方何も御不満はないと思いますよ。

だけど今そういう状況じゃない。世の中、世界もそういう意味でいったら環境ということについては相当厳しいチェック、いろんな形でしている中で、神戸市だけが埋立でごみをごみとして扱っていくというわけにいかんでしょうけれども、ただし費用がかからんというんであれば、それはいいことだとも私は思うわけですけれども、そういうところの議論というのがもう少しコストも含めた上で、市民の皆さん方も含めた話というのがちょっと神戸市の場合には欠けておるんではないかなと。

もう一つ言わせていただくと、いろんな市民の皆さん方の意見がいっぱいありますので、この意見を本当に尊重していただいて、この声をきっちりとこの答申の中に反映していくということが本当に大事だと思ってますんで、その辺のところは私もいろいろ言わせていただきますけれども、ぜひ専門部会の皆さん方も、その辺のところは十分協議していただきたいと思います。